「そもそも鋳物って何だろう」「鉄フライパンと鋳鉄(ちゅうてつ)フライパンの違いが知りたい」と考えている方は多いのではないでしょうか?
「鋳物は丈夫で長持ちするイメージがあるけど、鋳鉄フライパンの特徴や鋳物の用途は何なのかあまり想像できない」と考えている方もいるでしょう。
この記事を読めば、意外と知られていない鋳物の概要や使用方法、鉄製や鋳物製のフライパンの間にある具体的な違いについて知ることができます。
鋳鉄フライパンや鉄製フライパンの違いについて知って、自分が想定する用途に合ったフライパン選びをしていきましょう。
鋳物とは
鋳物とは、溶かした金属を鋳型に流し込み、冷えて固まったら型からとり出して成形する金属製品のことをさします。
大量の型を作ってしまえば、そこに金属を流し込み、冷やし固める工程をローテーションするだけで良く、大量生産に向いている製造方法です。
鋳型には砂型・金型・樹脂型・石膏型があり、型の素材によって名称が異なります。
鋳物の歴史は紀元前4000年頃までさかのぼるともいわれ、日本には紀元前3世紀頃に伝来。1世紀頃には銅器や刀剣の鋳造がはじまったといわれています。
現在、鋳物はフライパンだけでなく、以下のような用途に幅広く利用されています。
- 自動車
- 船舶
- 鉄道
- 飛行機
- 産業機械
- パソコン
- スマホ
- デジカメ
- 洗濯機
- 炊飯器
- スキー・ゴルフ用品
- 暖房器具
- マンホール
- フェンス
- 橋
- 仏像
鋳物は安価に大量生産できる金属製品で、生み出せる形状の自由度も高いことから、私たちの身の回りにある数多くの物の製造に利用されているのが特徴です。
鉄フライパンで鉄製と鋳物製を簡単に解説
鉄フライパンはテフロン加工のフライパンやステンレスフライパンなどと比較すると、熱伝導率が高く、長持ちし、調理すると微量の鉄分が補給できるのがメリットです。
種類 | 熱伝導率 | 耐久性 | 焦げやすさ | 手入れ |
鉄製 | 高い | 高い | 焦げやすい | 難しい |
テフロン加工 | 普通 | 普通 | 焦げにくい | カンタン |
ステンレス | 低い | 高い | 焦げにくい | カンタン |
アルミ | 高い | 低い | 焦げやすい | 普通 |
ただし、鉄フライパンは重く、お手入れに時間と手間がかかります。初心者でも使いやすいフライパンを探しているなら、テフロン加工のフライパンがおすすめです。
鉄フライパンはさらに鉄フライパンと鋳鉄フライパンの2種類に分けられます。前者は鉄の板を延ばして作り、後者は鉄を鋳型に流し込んで成形するのが特徴です。
どちらもフライパンに油を塗って表面をコーティングする必要があります。フライパンを洗ったら水気をきり、油をコーティングしてサビを防止しなければなりません。
鋳鉄フライパンは厚みがあり、保温性が高いのが特徴です。厚底の鉄鍋やスキレット鍋などに使われ、鍋料理やオーブン料理を作る際に大活躍すること間違いなしですよ。
ただし、鉄フライパンよりも重いので、フライパンの取り扱いには慣れが必要です。
鋳物フライパンに関するよくある3つの質問
鋳物フライパンに関しては、いくつかの質問が挙げられます。ここでは、よくある質問とそれに対する答えについて見ていきましょう。
Q1.鋳物フライパンの手入れ方法は?
買ったばかりのフライパンには錆止めのコーティングが施されているので、フライパンを使う前に高温で空焼きし、全体の色が変わるまで熱しましょう(焼き入れ)。
フライパンに油を入れて弱火で5〜10分加熱します(油ならし)。
一連の手入れをすることで、焼きムラが少なく、表面に汚れがくっつきにくくなります。
Q2.鋳物フライパンを使うメリットは?
熱伝導性が高く、焦げにくく、耐久性が高い点が大きなメリットです。高温調理を行う機会が多く、お気に入りのフライパンを長く使いたいという家庭におすすめですよ。
Q3.鋳物フライパンがくっつきにくくするためには?
油ならしや予熱が不十分であったり、調理時の火力が高すぎたりすると焦げつく原因になります。また、調理後の食べ物の洗い残しも焦げつきの原因になりますね。
まとめ
この記事では、鋳物の概要や用途、他のフライパンや鉄製・鋳物製フライパンとの違いについてご紹介しました。
鋳物はフライパンだけでなく、車両や電化製品、暖房器具、マンホール、フェンス、仏像など、私たちの身の回りのあらゆるものに利用されている金属です。
鋳物フライパンは鉄フライパンと比べると重みがあり、保温性が高いのが特徴。きちんと手入れをすれば長く使い続けられる、とても頑丈なフライパンだといえます。
鋳物フライパンのお手入れの手順は以下のとおりです。
購入後にフライパン表面を空焼きしてコーティングを除去(焼き入れ)
フライパンにまんべんなく油をのばして5〜10分馴染ませる(油ならし)
調理後は食べ残しを綺麗に洗い流し、乾燥させたら再び油ならしする
鉄製・鋳物フライパンのポテンシャルを引き出す知識として覚えておきましょう。
鉄製フライパンや鋳物製フライパン、ステンレスやアルミ、テフロン加工のフライパンごとの特徴を確認して、自分に合ったフライパンを選んでみましょう。