フライパンのチタンコートとダイヤモンドコートの違いとは?

フライパンを選ぶ際に気になるのが、重さや大きさ、お手入れのしやすさですよね。

調理器具の中でも使用頻度の高いフライパンは、内面にコーティング加工が施されていると焦げ付きにくく、お手入れの負担軽減につながります。

ただ、一口にコーティングといってもいくつか種類があり、それぞれ特性が異なります。

コーティングの中でも特に違いが分かりにくいのが、チタンコートとダイヤモンドコートです。

そこで今回は、フライパンのチタンコートとダイヤモンドコートの違いを詳しく解説します。

「チタンコートとダイヤモンドコートの違いが分からない」「どっちがおすすめ?」と、フライパン選びに悩んでいる方はぜひ参考にしてみてくださいね。

目次

フライパンのチタンコートとダイヤモンドコートの違いとは

チタンコートとダイヤモンドコートでは、大きく分けて以下3つの違いがあります。

  • 使用素材
  • 耐久性
  • 熱伝導率

それぞれの違いについて、詳しく見ていきましょう。

違い①:使用素材

まず、チタンコートとダイヤモンドコートでは、コーティングに使う素材が異なります。

チタンコートダイヤモンドコート
チタン粒子配合人工ダイヤモンド粉末配合

チタンコートとは、元素番号22の金属「チタン(Ti)」を使用したコーティングです。アルミフライパンの表面に、チタン粒子を配合したトップコートを施しています。

一方、ダイヤモンドコートとは人工ダイヤモンド粉末を使用したコーティングのことです。アルミフライパンの表面に、ダイヤモンド粉末を配合したトップコートを施し、汚れのこびり付きを防止します。

ダイヤモンドコートのフライパンには、「ストーン加工」という、こびりつきにくさに特化された商品も登場しています。

違い②:耐久性

チタンコートとダイヤモンドコートは、耐久性にも違いが見られます。

チタンコートダイヤモンドコート
コーティングでトップレベルの耐久性耐久性が高い

どちらも耐久性が高いコーティングですが、チタンのほうが耐久力に優れています。

チタン粒子は、「軽い・強い・錆びない」の3大特徴があり、航空機やロケットにも使用されているほど硬度が高い金属です。

耐摩擦テストで比べてみると、ダイヤモンドコートは耐摩擦テスト50万回に対し、チタンコートは150万回と、約3倍もの耐久力があります。1

そのため、ダイヤモンドコートやマーブル加工は通常2~3年ほどで寿命を迎えますが、チタンコートなら3年以上の長期使用に期待できます。

チタンは酸や塩にも強いため、お酢や塩を使って調理しても劣化しにくくなっています。

ただ、ダイヤモンドも宝石の最高硬度であるモース硬度10を持っているので、耐久力が高い鉱物です。

両方とも高耐久ですが、金属ヘラが使えるかどうかは製品によって異なるので、チェックしておきましょう。

違い③:熱伝導率

3つめは、熱伝導率(W/mk)の違いです。

チタンコートダイヤモンドコート
17(W/mk)2000(W/mk)

チタンの熱伝導率は、17(W/mk)です。

鉄の67(W/mk)と比べると約1/4、ステンレスの16(W/mk)と同じくらいに位置する、熱伝導率の低い金属です。

そのため、チタンコートは温まるまで時間はかかるものの冷めにくい保温性があるので、じっくり火を通す余熱料理に向いています。

一方、ダイヤモンドは熱伝導率2000(W/mk)という驚異的な数値を持ちます。

フライパン全体に素早く熱が加わるため、中火以下で十分な調理が可能です。高熱伝導率を活かして、手早く・ガス代を節約しながら料理が作れます。

強火はコーティング劣化の原因になるので控えましょう。

チタンコートとダイヤモンドコートどちらかだったらどっちがおすすめ?

チタンコートとダイヤモンドコートには3つの違いがあると解説しました。しかし、どちらもコーティングの1種ということもあり、大きな違いはありません。

そこで、選ぶのに迷った場合は「耐久性」もしくは、「熱伝導率」に注目するのがおすすめです。

長く使いたいなら:チタンコートがおすすめ

長期間の使用に耐えられるほうを選ぶなら、チタンコートがおすすめです。

ダイヤモンドも宝石の中で一番硬い鉱物ですが、耐摩擦テストで比べるとチタンコートのほうが耐えられる傾向にあります。

チタンは鉄より60%軽いにもかかわらず、アルミニウムの約3倍の強度を持つ耐久性が魅力的です。

また金属アレルギーも起こりにくく、安全性が高い金属です。

熱伝導率が低いため時短での調理には不向きですが、長期スパンで使いたいならチタンコートを検討してみましょう。

手早く調理したいなら:ダイヤモンドコートがおすすめ

時間のない朝や、帰宅してから手早く作りたい場合は、ダイヤモンドコートが適しています。

ダイヤモンドは熱伝導率が2000(W/mk)と、チタンの17(W/mk)より格段に熱が伝わりやすい金属です。

そのため、フライパンが温まるまで短時間で済み、時短調理を得意としています。

ただし、300度以上の高熱になるとコーティングが剥がれてしまうため、中火以下で調理するようにしましょう。

チタンコートよりはやや耐久力が落ちますが、それでも2~3年は持つと予想されます。

一定の周期で買い替えても構わないなら、素早く料理が作れるダイヤモンドコートが向いているでしょう。

まとめ

この記事では、フライパンのチタンコートとダイヤモンドコートの違いを解説しました。

チタンコートとダイヤモンドコートの大きな違いは、「使用素材」「耐久性」「熱伝導率」の3つです。

どちらも焦げ付きを防止し、お手入れが楽になる利点がありますが、耐久力や熱伝導率の点でやや違いが見られます。

選ぶのに迷ったら、長く使いたいならチタンコート、手早く調理したいならダイヤモンドコートと、選択するのがおすすめです。

チタンは航空機やロケットにも使用されるくらい耐久性が高く、フッ素樹脂加工だけのフライパンより長持ちします。

対して、ダイヤモンドは熱伝導率2000(W/mk)という驚異的な数値を誇り、余熱時間を短縮したい人に向いています。

金属製ヘラが使用できるか、重さや大きさも併せてチェックして、自分に合ったコーティング加工を選んでみてくださいね。

  1. アイリスオーヤマ「DGS-W26」と、パークレーン「K-10587」を比較した場合 ↩︎
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