フライパンの購入を検討している方の中には、「フッ素」や「テフロン」というコーティングについて聞いたことがあっても、両者の具体的な違いについて知っている方が少ないのではないでしょうか?
この記事では、フッ素加工とテフロンの違いやフッ素加工の主な種類、よくある質問についてご紹介します。フライパンの購入を検討している方は参考にしてみてください。
【結論】フッ素加工とテフロンの違いは何か?
テフロンは米のデュポン社が商標登録したフッ素フライパンのネーミングです。テフロンフライパンはフッ素加工フライパンの1種だと覚えておきましょう。
フッ素加工は、フッ素を配合した合成樹脂をさす言葉です。PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)やPFE(パーフルオロアルコキシアルカンポリマー)、FEP(パーフルオロエチレンプロペンコポリマー)など、いくつもの種類があります。
フライパンのフッ素加工の主な種類
フライパンのフッ素加工の種類には、主に以下の3つの種類があります。
- PTFE
- PFE
- FEP
ここでは、これらのフッ素加工の特徴についてチェックしてみましょう。
PTFE:非粘着性と低摩擦性が特徴
PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)は、260℃まで耐えられる耐火性の高さや非粘着性の高さ、摩擦性の低さが特徴。フライパンの表面が滑りやすくなっており、少量の油で調理したいと考えている方におすすめのフッ素加工となっています。
ただし、耐食性は高くないので、調理前後の手入れは入念におこなう必要がありますね。
PFA:耐食性が高いのが特徴
PFE(パーフルオロアルコキシアルカンポリマー)は、耐食性と耐熱性が高いフッ素加工です。溶融成形が可能で加工性が高いので、幅広いフライパンに使用されています。
FEP:非粘着性と耐食性が特徴
FEP(パーフルオロエチレンプロペンコポリマー)は、耐熱温度が200℃前後と上記の2種類よりもコーティングの耐熱性が低い一方で、PFAよりも加工性が高くなっています。
フッ素加工とテフロンに関してよくある5つの質問
フッ素加工とテフロンに関しては、以下の5つの質問がよく挙げられます。
- Q1.フッ素加工のフライパンは安全なの?
- Q2.セラミックフライパンは人体に無害?
- Q3.フッ素加工フライパンとPFASの関係性って?
- Q4.ティファールのフライパンは安全なの?
- Q5.鉄のフライパンは安全ですか?
ここでは、これらのよくある質問とそれに対する答えを確認しましょう。
Q1.フッ素加工のフライパンは安全なの?
フッ素加工フライパンは基本的に安全ですが、360℃以上の高温でフライパンを使用すると有毒ガスが発生してしまうリスクがあります。260℃からフッ素樹脂が劣化しはじめるので、それを上回る高温で調理するのはやめておいた方が安全です。
Q2.セラミックフライパンは人体に無害?
セラミック素材のフライパンは、フッ素加工フライパンを凌駕する耐火性を備えているので、コーティングが溶け出したり、有毒ガスが発生したりするリスクは低いでしょう。
フッ素加工の安全性に不安を感じている方には、セラミックフライパンがおすすめです。
Q3.フッ素加工フライパンとPFASの関係性って?
PFASはPTFEやPFA、FEPを含む、のべ数千〜1万種類の有機フッ素化合物の総称。フッ素加工フライパンには、何らかのPFASが使用されています。
ただし、PFASは人体に蓄積されやすく、PFASの一部には免疫障害や腎臓がんなどの疾患につながるリスクも報告されています。とくにPFOS・PFOAの生産・製造・輸入が禁止されていますね。
EU議会ではPFASを段階的に排除する趣旨の制限案が出されています。日本でも同様の流れが進む可能性もあるでしょう。
参考元:一般社団法人 日本弗素樹脂工業会|欧州PFAS規制案関連情報
Q4.ティファールのフライパンは安全なの?
ティファールのフライパンには、有害性が認められる有機フッ素化合物は使われていません。他のフッ素加工フライパンと同じように安心して使うことが可能です。
Q5.鉄のフライパンは安全ですか?
鉄のフライパンは表面がコーティングされておらず、フライパンが原因で化学物質を摂取してしまう心配がありません。身体によい鉄分を効果的に摂取できるフライパンとしても人気です。
まとめ
この記事では、フッ素とテフロンの違いやフッ素加工の種類、フッ素加工とテフロンに関してよくある質問についてご紹介しました。
テフロンはデュポン社が商標登録した商品名で、フッ素加工の一種です。
フッ素加工フライパンは耐火性があって使いやすいのが魅力ですが、260℃以上の高熱で調理するとフッ素樹脂が溶け込んでしまうリスクもあります。
基本的には安全ですが、安全性が気になるという方はより耐火性のあるセラミックフライパンや、コーティングが施されていない鉄フライパンの購入を検討してみましょう。