日本でテフロン加工のフライパンが販売禁止にならない理由

テフロンフライパン 日本 禁止されない

人気が高いテフロン加工のフライパンですが、海外ではフッ素樹脂のPFOA・PFOSの使用が相次いで禁止され、人体への蓄積性や有害性を不安視する声も挙がっています。

その一方で、日本ではテフロン加工のフライパンが販売されています。日本でテフロンフライパンが販売禁止になっていない理由はなんでしょうか?

この記事を読めば、テフロン加工のフライパンの魅力やヨーロッパの現状、日本で販売が禁止されていない理由、安心して使うための注意点について把握できます。

テフロン加工のフライパンについて詳しく知りたいという方は参考にしてみてください。

目次

テフロン加工のフライパンは調理の強い味方

テフロン加工 フライパン 特徴

テフロン加工のフライパンは、PFASと呼ばれる有機フッ素化合物を表面にコーティングしたフライパンです。

滑りやすく、焦げ付きにくい効果のあるテフロン加工は、フライパンだけでなく、炊飯器や鉄板、鍋、ホットプレートなどに幅広く使用されています。

焦げ付きにくくサビにくいので、調理前後の入念なお手入れが不要な点も魅力です。

ただし、260℃以上の温度で加熱し続けるとコーティングが溶け出し、350℃以上になると毒ガスが発生してしまいます。調理時の極端な強火には注意しなければなりません。

ヨーロッパでPFASの一部が規制されている理由

ヨーロッパ テフロン加工

日本では販売されているテフロン加工のフライパンですが、ヨーロッパではPFASの規制強化が進んでいます。ここでは、ヨーロッパのテフロン加工の現状を確認しましょう。

理由①国際的にPFASの一部の使用が禁止されている

PFASには4,000〜1万前後の種類があり、その一部は蓄積性や有害性から使用が禁止されています。残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)により、2009年にPFOS、2019年にPFOSが規制されている現状があるのです。

このように、国際的な取り決めによって、欧州ではPFASの規制が推進されています。

参考元

みずほリサーチ&テクノロジーズ|欧州における永遠の化学物質「PFAS」の規制案

理由②環境に悪影響を与えると考えられているため

PFASの一部が禁止されている背景には、蓄積性の高さと体外排出の難しさ、発がん性リスクの増加などが報告されたことが挙げられます。これらは動植物などに悪影響を及ぼすと考えられ、PFAS全体の規制が強化されているのです。

参考元

埼玉県|PFOS、PFOAを知っていますか? -有機フッ素化合物の研究 since 2005-

日本でテフロン加工のフライパンは禁止されていない理由

テフロンフライパン 日本 販売禁止 されていない 理由

テフロン加工の一部には有害性が報告されているものもありますが、それらは使用や輸入が全面的に禁止されているので、現在使用されているテフロンは無害なPFASです。

PFASの一種としてよく使われるPTFEには発がん性などは報告されておらず、この成分を摂取してもすぐ体外に排出されるため、健康リスクについて心配しなくても大丈夫です。

どうしても心配な方は、表面にフッ素樹脂がコーティングされておらず、耐火性や耐久性が高いセラミック製や鉄製、ステンレス製のフライパンを選ぶのも選択肢でしょう。

テフロンフライパンを安全に使うための注意点

テフロンフライパン 注意点

260℃以上に加熱するとコーティングが剥がれ出し、350℃前後で毒ガスが発生するリスクはあるので、極端な強火や空焚きはしないことをおすすめします。

また、調理後すぐに水で冷やしてしまうとコーティング剥がれの原因になります。調理後はしばらく常温に置いておいて、表面温度がある程度下がってから洗い物しましょう。

加えて、鉄製のトングやフライ返しなどを使ってしまうと表面を傷つけて、コーティングが剥がれてしまう可能性があります。可能な限りシリコン製のものなどを使いましょう。

ちなみに、残った食べ物をフライパンに入れて放置するのも、フライパンのコーティングの劣化を早めます。とくに塩分・油分が多い食べ物はすぐに取り出すのが基本ですね。

現在流通しているテフロンフライパンは安全!

まとめ

この記事では、テフロンフライパンの特徴やヨーロッパで規制強化が進んでいる理由、日本で販売が禁止されていない理由、使用上の注意点についてご紹介しました。

PFASは約1万種に及びます。基本的には無害ですが、PFOS・PFOAのように発がん性や免疫障害などのリスクも報告され、国際的に使用が禁止されている物質もあります。

ヨーロッパではPFASを全体的に規制しようという動きが出てきていますが、日本では一部の有害性が認められたPFAS以外であれば使用が許可されています。

ただし、PFASが使われているフライパンは、260℃以上で加熱し続けないと溶け出すことがないので、極端な強火や空焚きをしなければ健康に問題はないでしょう。

使い勝手の良いテフロンフライパンを手にして、日々の調理を充実させてみては?

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