「鉄やその他の金属の融点ってどれくらいなんだろう?」「高温で加熱するとフライパンは溶けてしまうのだろうか?」と考えている方もいるでしょう。
鉄の融点はおよそ1500℃。フライパンを含む鉄製のキッチン用品を家庭で使う分には溶けてしまうことは考えにくいです。
ただし、フライパンも素材やコーティングの種類によって融点は異なります。
この記事を読めば、鉄とその他の金属の融点、フライパンがコンロで溶けない理由、金属の融点に関する疑問を解消し、不安なくフライパンを使えますよ。
鉄の融点は?
鉄の融点は1538℃です。酸化鉄の形だと融点は1360℃まで下がります。金属ごとに融点は異なるので、購入するフライパンの素材に何が使われているのか要チェックです。
「沸点」との違い
融点(1538℃)は固体が液体に変化しはじめる温度で、沸点(2862℃)は液体が気体に変化しはじめる温度のことをさします。融点と比べると沸点の方が温度が高いです。
フライパンは一般コンロで普通に使う分には溶けません
鉄を使用した鉄製フライパンは家庭用のコンロではまず溶けません。適温になるまで数十秒しかかからず、よほどの不注意でフライパンを加熱し続けなければ鉄の融点には達しないためです。
ただし、フライパンの種類によって融点が異なる点に注意しましょう。
フライパンの種類ごとの特徴は以下のとおりです。
フライパンの種類(融点) | 特徴 |
鉄フライパン(1538℃) | しなやかさがあり、薄く加工できる。他の鉄フライパンと比較すると軽い |
ステンレス製フライパン (1400〜1500℃) | サビにくく、丈夫な合金フライパン。熱伝導率は低いが、余熱調理ができる |
鋳鉄フライパン(約1200℃) | 熱伝導率が高い。炭素含有率は3%前後油ならしをすることで、ムラなく調理できる |
アルミフライパン(660℃) | 軽くて使いやすい一方、傷や酸・アルカリ性のものに弱いので扱いには注意 |
銅フライパン(約1085℃) | 熱伝導率が高く、焼きムラがでにくい。傷つきやすく、酸やアルカリ性に弱い |
フッ素加工フライパン ※240℃〜有害物質のリスクあり | 表面にフッ素樹脂加工が施されたフライパンで、滑りやすく、食材がくっつきにくい |
フッ素加工が施されたフライパンを240℃の高温で熱するとフッ素樹脂が溶け出し、360℃以上になると有毒ガスが発生します。空焚きしないように注意しましょう。
物質の温度やフライパンに関してよくある5つの質問
物質の温度やフライパンに関しては、以下の質問がよく見られます。
- Q1.フライパンが適温(160〜180℃)になるまでの時間は?
- Q2.弱火・中火・強火時のIHの温度はどれくらい?
- Q3.炭火の温度はどれくらい?
- Q4.マグマの温度はどれくらい?
- Q5.太陽の温度はどれくらい?
ここでは、5つのよくある質問とそれに対する答えをチェックしましょう。
Q1.フライパンが適温(160〜180℃)になるまでの時間は?
フライパン全体にまんべんなく油を引いて、およそ60秒間加熱すると適温になります。
160〜180℃が食材を最も美味しく調理できる温度として知られていますね。フライパンを適温まで加熱したら、あとは弱火のままで温度を維持できます。
Q2.弱火・中火・強火時のIHの温度はどれくらい?
IH調理器は弱火が150℃前後で、中火が160〜180℃前後、強火が200〜230℃前後です。ちなみに、煮込み料理に使うとろ火とは弱火よりも弱い火加減をさします。
Q3.炭火の温度はどれくらい?
焼き鳥やBBQなどで使用する炭火の温度は300〜600℃ですが、うちわであおいだり、強く息を吹きかけたりすると、1000℃近くまで一気に温度が上昇します。
Q4.マグマの温度はどれくらい?
火口から噴き出るマグマの温度は900〜1200℃です。
Q5.太陽の温度はどれくらい?
太陽の表面温度は約6000℃で、中心核は約1600万℃、太陽の周りのコロナと呼ばれる高温のガスは100万〜300万℃と言われています。
鉄の融点とフライパンが溶ける温度について確認しましょう
この記事では、鉄とその他の金属の融点や鉄フライパンが家庭用コンロでは溶けない理由、素材・コーティング別の融点や特徴、よくある質問についてご紹介しました。
鉄の融点は1538℃で、他の金属と比較しても耐火性が高いのが特徴。ただし、実際には純度100%の鉄でフライパンを製造することは少なく、鋼や鋳鉄フライパンが多いです。
フライパンの素材ごとの融点をまとめると以下のとおりです。
- 鉄・・・1538℃
- ステンレス・・・1400〜1500℃(鉄の純度によって融点が異なる)
- 鋳鉄・・・1200℃
- アルミ・・・660℃
- 銅・・・1085℃
- フッ素加工・・・素材の融点に依拠
フッ素加工のフライパンに関しては240℃から樹脂が溶け出し、360℃から有毒ガスが発生するリスクがあるので、フライパンの温度変化に注意する必要があります。
フライパンの融点と樹脂が溶け出す温度に気をつけてフライパンを使いましょう。