「種類別のフライパンの寿命や買い替えサインってなに?」「フライパンをできるだけ長く使うために実践したいコツってなに?」と考えている方は多いでしょう。
フライパンの寿命はフライパンの素材や加工によって変わります。また、寿命が近づいて買い替えるべき時期がきたフライパンにはいくつかのサインが見られるのが特徴です。
この記事を読めば、フライパンのおおよその寿命や買い替えのサインがわかり、いくつかのコツを実践することでお気に入りのフライパンをより長く使用できますよ。
一般的にフライパンの寿命はどれくらい
フライパンの寿命は素材や加工の種類によって変わり、2年くらいのものから半永久的に使えるフライパンまで色々あります。フライパンの購入を検討している方は、どれくらいの期間フライパンを使えるのかどうかで、フライパンを選ぶのがおすすめです。
素材別のフライパンの寿命
フライパンに使われている素材によって、大まかなフライパンの寿命が決まります。ここでは、加工なしフライパンの素材別の寿命について見ていきましょう。
鉄(数十年〜半永久的)
鉄フライパンは他の素材と比較しても寿命が長いのが特徴です。調理前の油ならしや調理後の洗い方にいくつかの注意点はありますが、寿命が長く、鉄分も摂取できます。
また、使えば使うほどフライパンに油が馴染み、使いやすくなってくるのも特徴です。
銅(数十年〜半永久的)
銅フライパンの寿命は、鉄フライパンと同様に数十年〜半永久的です。熱伝導率が高く、素早く高火力で調理でき、微量の銅(ミネラル成分)を摂取できます。ただし、フライパンの表面が変色しやすく、IH調理に対応していない商品もある点に注意です。
アルミ(約10年)
アルミフライパンの寿命はおよそ10年です。軽量で使いやすく、熱伝導率が高いので効率的に調理でき、火加減も調節しやすいのが魅力だといえます。ただし、鉄フライパンよりも油が馴染みにくく、食材が焦げ付きやすいのが注意点です。
ステンレス(約10年)
ステンレスフライパンの寿命はおよそ10年です。他の素材と比較した場合のサビにくさと頑丈さ、オシャレな見た目のフライパンが多い点が特徴です。熱伝導率が低いので、加熱に時間がかかる反面、余熱を利用した調理がしやすいのが魅力となっています。
加工別のフライパンの寿命
フライパンは加工によっても寿命が左右されます。代表的な加工は以下の通りです。
・フッ素樹脂加工(1〜3年)・・・少ない油で調理できるが、熱と摩擦に弱い
・ダイヤモンド加工(2〜3年)・・・硬度が高い素材を使用し、摩擦に強い
・マーブル加工(1〜5年)・・・多層構造で表面に凹凸があり、焦げつきにくい
・セラミック加工(1〜2年)・・・耐熱性が高く摩擦に強い。急な温度変化に弱い
・チタンコート加工(2〜3年)・・・塩分に強い性質をもち、サビにくい
このように、同じ素材で作られたフライパンでも、加工の有無によってフライパンの寿命は異なります。使いやすさと寿命を考慮して、ベストなフライパンを選びましょう。
フライパンの買い替えサインについて
フライパンの買い替えサインは、以下の4つのポイントにまとめられます。
- 加工が剥がれてきた
- 焦げつきが気になる
- 持ち手が壊れてきた
- サビついてきた
フライパンを買い替える目安は、加工が剥がれてきたタイミングです。加工が剥がれてくると、調理後の焦げつきがひどくなったり、滑りにくくなったりと、加工フライパンのメリットを受けられなくなります。
フライパンの持ち手が壊れてきた場合も、調理している時に危ないので買い替えるべきでしょう。着脱式の持ち手の使用や修理に出すのも手ですが、買い替えてしまう方が経済的であることも。
鉄フライパンによくあるようなサビつきも、あまりにひどいなら買い替えがおすすめ。これらのサインがあらわれはじめたら、フライパンの買い替えも検討してみましょう。
フライパンを長く使うための5つのコツ
フライパンを長く使うためには、以下のようなコツがあります。
- 空焚きは避ける
- 弱火〜中火を使う
- 樹脂製やナイロン製の調理器具を使う
- 料理をフライパンに放置しない
- 柔らかいスポンジで洗う
フライパンをできる限り長く使うためにも、これらのコツを実践しましょう。
コツ1.空焚きは避ける
フライパンに油を引いていない状態で加熱して空焚きすると、フライパンを傷め、寿命を縮めてしまいます。必ず油を引いて調理するようにしましょう。
コツ2.弱火〜中火で調理する
フライパンは強火での調理には適さない素材や加工が多いです。加工なしの鉄フライパンなどの一部の例外をのぞいて、基本的には中火以下で調理した方がいいでしょう。
コツ3.樹脂製やナイロン製の調理器具を使う
硬い金属製の調理器具を使うとフライパンの加工が剥がれてしまうリスクがあります。柔らかい樹脂製やナイロン製のフライ返しやへら、おたまなどを使うと、調理時にフライパンを傷つけて寿命を縮めてしまうケースを予防できるでしょう。
コツ4.料理をフライパンに放置しない
フライパンに料理を放置してしまうと、加工面にある無数の穴に油分が浸透してしまい、コーティングが剥がれてしまう原因になってしまうこともあります。
料理後は料理を皿に移して、フライパンはきちんと洗って乾燥させておきましょう。
コツ5.柔らかいスポンジで洗う
フライパンは中性洗剤で柔らかいスポンジを使って洗いましょう。硬い素材のたわしなどでゴシゴシ強く洗うと、フライパンの加工が剥がれてしまう可能性があります。
フライパンの寿命・買い替えサインに関する3つの質問
フライパンの寿命・買い替えサインに関しては、よくある質問がいくつか挙げられます。ここでは、よくある質問とそれに対する答えについてチェックしましょう。
Q1.テフロンフライパンって人体にとって有害なの?
これまでテフロンフライパンの加工時に使用されてきたPFOA・PFOS(有機フッ素化合物)には発がん性リスクが報告されています。ただし、2009年にはPFOSが、2019年にはPFOAがPOPs条約の廃絶対象に選ばれており、製造・輸入が禁止されています。
現在製造・輸入されているテフロンフライパンに関しては、PFOA・PFOSは使用されていないので、人体への有害性を極度に心配する必要はありません。
参考
日本ポリマー|製造等が禁止されている有機フッ素化合物「PFOS」「PFOA」について
Q2.テフロンフライパンを復活させる方法は?
自力でフライパンの加工を復活させることは難しいので、専門業者に加工処理を依頼する形になります。新しいフライパンに買い替えるのも手でしょう。
Q3.テフロン加工が剥がれたフライパンの使い道は?
フライパンとして使い続けることはできますが、滑りやすさや焦げつきにくさ、洗いやすさといったテフロン加工を使用するメリットがないので使いにくいでしょう。
まとめ
この記事では、フライパンの寿命を素材別・加工別に解説し、買い替えのサインやフライパンの寿命をのばすための5つのコツについてもご紹介しました。
フライパンの寿命は素材や加工の種類、使い方によって変わります。
空焚きや強火での調理、柔らかい素材の調理器具を使うことで、フライパンは長持ちします。また、調理後に料理をフライパンの上に放置しないことも重要なポイントです。
加工が剥がれてきて使いにくくなってきたり、持ち手が壊れてきたりしたら、フライパンの寿命だと考えて修理するか新しいフライパンに買い替えるようにしましょう。
フライパンの使いやすさや寿命でフライパンを選び、フライパンを長く使うためのコツを実践して、日常生活での調理を充実させてみてはいかがでしょうか?